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Villa in Atami
熱海の別荘
熱海の急斜面に建つ、週末のための別荘。
高低差20メートルの敷地に、二枚の大きな壁を建てるだけ——そのシンプルなアイデアにすべてを込めた。
壁には多くの役割を持たせている。禁欲的で質実剛健な存在としての壁。
住宅らしからぬ不思議な誘惑性と、壁という存在の拒絶性。
内壁・外壁を同じ仕上げにすることで生まれる、土質の強烈な存在感。
そして山側への視界を遮断し、海方向の景色だけを明快に切り取る額縁。
1階の温泉浴室は、入口から最奥部に向かって天井が緩やかに上昇し、約3.5メートルの高さに達する。
壁一面に貼り込んだ緑のタイルと碧色の十和田石が、伊豆山の緑に呼応する。
かけ流しの温泉と相模湾の眺望が重なるこの場所は、ここでしか体験できない時間をつくり出している。
2階は、階段を中心に寝室とLDKが一本のトンネルの中に収まるような空間。
海側の景色がトンネルの内部に引き込まれ、どの場所からも相模湾を感じられる。
回遊できる動線は、週末住宅としての気軽さと、どこにいても風が通り抜けるような開放感をつくり出している。
光源はすべて隠し、間接照明だけで構成された室内は、昼と夜で表情を変えながら、この建築の静けさをより深いものにしている。
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